劇場版『名探偵コナン』の題名は、英語で何というでしょう?
コナン映画、全作品の英語タイトルをまとめました。
また、それぞれの英題に用いられている英語表現や英単語について、簡単な説明も載せています。
皆さんの英語学習にもお役に立てれば嬉しいです。
時計じかけの摩天楼
The Time-Bombed Skyscraper
skyscraper : 摩天楼
摩天楼は「天を摩するほどの」超高層ビルのことです。
skyscraper という英語の訳語だそうです。
scrape : 〜をこする
「空をこする」をかっこよく訳すと、
「天を摩する」と言うわけですね。
「楼」は高い建物のことです。
飲食店や旅館などで見ませんか?
どんな skyscraper かというと、
time-bombed な skyscraper です。
time bomb と名詞で使うと「時限爆弾」ですが、
ハイフンでつなぎ、 ed で 終わらせ過去分詞になっている、
つまり形容詞としての働きをしていますね。
14番目の標的(ターゲット)
The Fourteenth Target
そのままですね(笑)
ここから、コナン映画の特徴とも言える、
タイトルの漢字の英語読みが始まりました。
世紀末の魔術師
The Last Wizard of the Century
この訳、好きですねぇ。
「(その)世紀の最後の魔法使い」
という感じでしょうか。
wizard : (男の)魔法使い
女性は witch です。
この作品はタイトルの回収がきれいですね。
「バルシェ、肉買ったべか」
……なんでもないです。
瞳の中の暗殺者
Captured in Her Eyes
これも好きな訳です。
capture : 〜を捉える
過去分詞なので、「捕らえられた」「捕らえられている」
といった受け身の意味ですね。
「瞳の中」とは、蘭が目撃したということですから、
in her eyes です。his でも the でもなく、 her なんですね。
暗殺者というと、 assassin という単語が浮かびますが、
英題には使われていません。


天国へのカウントダウン
Countdown to Heaven
そのまま!(笑)
ベイカー街(ストリート)の亡霊
The Phantom of Baker Street
phantom : 幻、幽霊、お化け、幻覚、錯覚
このタイトルを見ると、
The Phantom of the Opera
を思い浮かべずにはいられませんね。
『オペラ座の怪人』です。
『スター・ウォーズ』シリーズをご存知の方、エピソード1の副題は、『ファントム・メナス』ですね。
phantom menace は、日本語だと「見えざる脅威」と訳されます。
迷宮の十字路(クロスロード)
Crossroad in the Ancient Capital
Ancient Capital は「古都」「旧都」といったところでしょうか。
ancient : 古代の
capital : 首都
舞台である「京都」のイメージが浮かびにくい外国人にも伝わるようにでしょうか。
迷宮の英語は labyrinth が思い浮かびますが、これを用いずに表現しています。
銀翼の奇術師(マジシャン)
Magician of the Silver Sky
「銀翼」は飛行機の翼のことです。
英語タイトルでは、 silver sky という言葉を使っています。
silver sky では「銀翼」の意味は表さないようなので、これは意訳ということになるでしょうか。
例えば、 silver wings と訳しても、「飛行機」の意味にはならないのでしょうね。
(※間違っていたら、ご指摘ください。)
水平線上の陰謀(ストラテジー)
Strategy Above the Depths
かっこいい訳ですよね!
strategy : 戦術、戦略
「陰謀」という日本語の直訳としては、
plot, conspiracy, intrigue, scheme
などがありますが、どれも難しいですね…
above : 〜の上に
depth : 深さ
depth は deep 「深い」(形容詞)の名詞です。
ここでは、 depths と複数形になっています。
「深いところ」、「最深部」といったところでしょうか。
探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)
The Private Eyes’ Requiem
private eye : 探偵
「探偵」というと detective という単語が浮かぶ人が多いと思います。
アニメ本編だと、安室透が初登場のエピソードで、メガネを取るシーンで「プライベート・アイ」と発言していたと思います。
eyes’ は複数形の所有格ですね。
複数形の s の後には、 ’s の s を書かないというルールがありました。
requiem : 鎮魂歌
レクイエムはカタカナで使う用語ですね。
紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)
Jolly Roger in the Deep Azure
azure : 空色、淡青色
「紺碧」は黒味を帯びた紺色のことです。
deep blue とせずに、azure という単語を使っているところがオシャレですね。
戦慄の楽譜(フルスコア)
Full Score of Fear
音楽をテーマにした作品ですね。
日本語のタイトルは、「旋律」と「戦慄」が掛けられています。
fear : 恐怖感、おびえ
「旋律」は英語では melody です。
score : 総譜
全てのパートをまとめた楽譜のことを「総譜」と呼ぶそうです。
score 一単語でも良いみたいですが、 full score とも言うそうです。
漆黒の追跡者(チェイサー)
The Raven Chaser
chaser : 追撃者
chase は「追いかける」「追跡する」の意味です。
raven : 真っ黒な
「漆黒」を表す単語は他に ebony があります。
raven は、名詞で「ワタリガラス」「オオガラス」の意味です。
「黒ずくめの組織」のことを本編で、宮野明美は「カラスのような黒い服」と表現していました。
まさにぴったりの単語ですね。
天空の難破船(ロスト・シップ)
The Lost Ship in The Sky
そのままですね。
「天空」という言葉はいかにも日本語らしい、というよりも中国語から来ているのでしょうか、偉大さを感じさせる言葉ですが、英語タイトルでは sky です。
沈黙の15分(クォーター)
Quarter of Silence
「15分」と書いて「クォーター」と読ませる、もう何も怖いものはありません(汗)
quarter は「4分の1」で、時間の意味で使えば「15分」ですね。
silence は「沈黙」で、silent の名詞ですね。
11人目のストライカー
The Eleventh Striker
そのままです。
「ストライカー」は、サッカーの用語で、チームで最も攻撃力や得点力がある選手のことを指します。
絶海の探偵(プライベート・アイ)
Private Eye in the Distant Sea
private eye がまた出てきました。
distant : 遠い
distance は名詞で「距離」ですね。
異次元の狙撃手(スナイパー)
Dimensional Sniper
dimensional : 〜次元の
たとえば three-dimensional は「3次元」、「3D」です。
dimension が名詞で「次元」ですね。
sniper : 狙撃兵、狙撃者
snipe が動詞で「狙撃する」ですね。
業火の向日葵
Sunflowers of Inferno
inferno : 地獄、地獄絵図、灼熱
ぴったりの訳ですね。
純黒の悪夢(ナイトメア)
The Darkest Nightmare
nightmare : 悪夢
『漆黒の追跡者』と同様、黒が使われていますが、こちらは darkest というように、dark の最上級が使われています。
nightmare を修飾する言葉として、良い選択ですよね。
から紅の恋歌(ラブレター)
The Crimson Love Letter
唐紅は濃い紅色です。
百人一首に収録されている、在原業平が詠んだ歌では、竜田川を紅葉が染めた色として表現されています。
crimson は威厳を感じる、かなり強い印象のある単語のように思いますが、どうでしょう。
「恋歌」の「歌」は当然、「和歌」ですが、「ラブレター」だけだと、ニュアンスを出すのが難しいですね。
ゼロの執行人
Zero the Enforcer
enforcer : 執行者、警察官
enforce は「〜を施行する」です。
「執行する」の直訳としては、 execute が思い浮かびます。
the の使い方がかっこいいですよね。
同格の the と呼べるでしょうか。
『ベイカー街の亡霊』に登場する、Jack the Ripper (ジャック・ザ・リッパー)もそうですよね。
紺青の拳(フィスト)
The Fist of Blue Sapphire
fist : 握りこぶし、げんこつ
「紺青」は鮮やかな青色です。
英語にすると Prussian blue や deep blue といったところでしょうが、やはり作品としては「ブルーサファイア」がぴったりですね。
緋色の弾丸
The Scarlet Bullet
scarlet : 緋色、緋色の
スカーレットは、緋色(ひいろ)、深紅色といった色ですね。
bullet : 弾丸
コナン好きの方なら、「シルバーブレット」という言葉が連想されますね。
作中ではコナンや赤井を指す言葉です。
コナンでは「緋色シリーズ」と呼ばれる、赤井秀一の謎が判明する話がありますね。
特に、「緋色の帰還」はファン待望の展開となった名作です。
タイトルのモチーフは、シャーロック・ホームズシリーズの最初の作品、『緋色の研究』です。
原題は “A Study in Scarlet” です。
参考 『名探偵コナン 緋色の弾丸』の読み方・意味・英語タイトル
ハロウィンの花嫁
The Bride of Halloween
今回で劇場版第25弾ですね。
前回に引き続き、漢字を英語読みさせるタイトルではありませんでした。
bride : 花嫁
花嫁は英語で bride です。
形容詞は bridal で「花嫁の」の意味ですが、名詞の「結婚式」の意味もあります。
カタカナで「ブライダル」とも使いますね。
コナンと全く関係ありませんが、私は「Princess Bride!」という曲のタイトルで、初めて bride という単語を覚えました。
KOTOKOの曲ですが、ニコニコ動画のこの動画があまりにも有名ですね。
おわりに
普段何気なく見ている『名探偵コナン』の英語タイトルでも、新しく学べる英単語があるのではないでしょうか。
これからも楽しく英語に触れていけたら嬉しいです。
ありがとうございました。
コメント
突然のコメント失礼します。
先日、初めてブログを拝見し、こちらの記事を興味深く読ませていただきました。
そこで、私のブログでこちらの記事を紹介させていただこうと思います。
これから更新する記事に貼りますので、ほとんど事後承諾の形になってしまうのですが、ご挨拶とお断りだけでもと思い、コメントさせていただきます。
アクセス数などはほとんどない自己満足のブログですが、よろしければご確認ください。
ふるーつ様
ご連絡、ならびにこちらの記事のご紹介、ありがとうございます。もちろん大歓迎です!
ふるーつ様の記事も拝読いたしました。
コナンをお好きなことが随所から伝わり、コナン好きの方にお読みいただけてとても嬉しく思います。